春になると、スギやヒノキなどの花粉が飛び交い、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの辛い症状に悩まされる人が多いですね。花粉症は、花粉が鼻や目の粘膜に侵入して免疫反応を起こし、ヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が放出されて引き起こされるアレルギー疾患です。花粉症の治療には、抗ヒスタミン薬やステロイド薬などの薬が一般的ですが、副作用や効果の持続性に不満を感じる人も少なくありません。
そこで、今回は、薬に頼らずに花粉症の症状を緩和する方法として、ハーブティーを紹介します。ハーブティーは、自然の植物から抽出した成分が体にやさしく作用し、免疫バランスを整えたり、炎症を抑えたりする効果が期待できます。また、香りや味も楽しめるので、ストレスやリラックスにも役立ちます。では、どんなハーブティーが花粉症に効果的なのでしょうか?それぞれの特徴と効果的な飲み方を見ていきましょう。
花粉症に効果的なハーブティーの種類と作用
エルダーフラワー
エルダーフラワーは、白い小さな花が咲く木の名前で、その花から作られるハーブティーです。エルダーフラワーには抗カタル(風邪やアレルギーなどの上気道感染症を防ぐ)作用や消炎作用があり、花粉症によるくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状を和らげます。また、抗ウイルス作用や免疫賦活作用もあるので、風邪やインフルエンザの予防にもおすすめです。
エルダーフラワーは淡い黄色で甘い香りがするハーブティーで、味もさわやかで飲みやすいです。一日に3~4杯を目安に飲むとよいでしょう。特に花粉が飛散する前から飲み始めると効果的です。
アイブライト
アイブライトは、白や紫色の小さな花が咲く草の名前で、その花から作られるハーブティーです。アイブライトには抗ヒスタミン作用や抗炎症作用があり、花粉症による目のかゆみや充血などの症状を和らげます。また、収れん作用や殺菌作用もあるので、目の疲れやかすみ、結膜炎などにも効果が期待できます1。
アイブライトは淡いピンク色でほのかな香りがするハーブティーで、味もマイルドで飲みやすいです。一日に3~4杯を目安に飲むとよいでしょう。特に目の症状がひどいときは、アイブライトのハーブティーを冷やしてコットンに浸し、目に当てるとスッキリします。
ネトル
ネトルは、西洋イラクサとも呼ばれる草の名前で、その葉から作られるハーブティーです。ネトルには抗アレルギー作用や浄血作用があり、花粉症によるくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状を軽減します。また、ビタミンやミネラルも豊富なため、免疫力を高めたり、貧血や冷え性などにも効果が期待できます2。
ネトルは深い緑色で草本的な香りがするハーブティーで、味もさっぱりとしています。一日に3~4杯を目安に飲むとよいでしょう。特に花粉が飛散する前から飲み始めると効果的です。
ルイボス
ルイボスは、南アフリカ原産の低木の名前で、その枝葉から作られるハーブティーです。ルイボスには抗アレルギー作用や抗酸化作用があり、花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状を改善します。特にアトピー性皮膚炎の改善に有効です。
ルイボスは赤茶色で甘い香りがするハーブティーで、味もまろやかで飲みやすいです。一日に3~4杯を目安に飲むとよいでしょう。カフェインが含まれていないので、就寝前でも安心です。
ジャーマン・カモミール
ジャーマン・カモミールは、白い花びらと黄色い花心が特徴的な花の名前で、その花から作られるハーブティーです。ジャーマン・カモミールは、鎮静作用で症状によるストレスを軽減します。また、発汗作用で体内の毒素を排出し、免疫力を高めます。
ジャーマン・カモミールは淡い黄色で甘い香りがするハーブティーで、味も優しくて飲みやすいです。一日に3~4杯を目安に飲むとよいでしょう。就寝前に飲むとリラックス効果もあります。
ハーブティーの効果的な飲み方
ハーブティーは、即効性を持ちません。毎日飲むことで、ゆっくりと体質を変えていくものが多いです。花粉症に効果のある抗アレルギー作用は、ヒスタミンが出るのを抑えることにより症状を軽くしたり、症状がでるのを抑えたりするものです。
そのため、花粉が飛散する1~2カ月前から服用すると、花粉症のくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状を緩和する働きがあります。また抗アレルギー作用もありますので、継続的に飲むと体質改善にも効果的です。
ハーブティーはカップ1杯に対して、ティースプーン山盛り2杯分のハーブを使用し、ティーポットやティーバックにハーブを入れてお湯を注ぎ、3分蒸らしたらハーブを濾して飲みます。1種類よりもブレンドする方が相乗効果が期待でき、また飲みやすくなります。
アロマテラピーの方法
ハーブティーだけでなく、アロマテラピーも花粉症の症状を緩和する効果が期待できます。植物から抽出された精油を使って、香りを嗅いだり、肌に塗ったり、入浴したりすることで、鼻づまりや目のかゆみなどを和らげることができます12。
花粉症に効く精油とその使い方
花粉症に効く精油は、以下のようなものがあります。
ユーカリ・ラディアータ:鼻水、鼻づまり、くしゃみに効果的。香りを嗅いだり、鼻の下や小鼻の周りに塗ったりするとよい。
ペパーミント:鼻づまりや目の粘膜の炎症を鎮める。香りを嗅いだり、マスクやハンカチに滴らして使うとよい。
カモミール・ローマン:抗アレルギー作用があり、喉の痛みや気管支の調子を整える。香りを嗅いだり、肌に塗ったり、入浴したりするとよい。
サイプレス:鼻の毛細血管を引き締めて目の充血を緩和する。香りを嗅いだり、肌に塗ったりするとよい。
これらの精油は単品でも使えますが、ブレンドすることで相乗効果が期待できます。例えば、以下のようなブレンドがおすすめです2。
ユーカリ・ラディアータ 2滴 + ラベンダー 1滴:アロマバスに使ってリラックスしながら鼻づまりを解消する。
ペパーミント 1滴 + カモミール・ローマン 1滴:アロママスクに使って目のかゆみや充血を和らげる。
サイプレス 1滴 + カモミール・ローマン 1滴:アロマオイルにして鼻のつけ根や耳の下に塗って目の充血や頭痛を軽減する。
まとめ
花粉症は辛い季節ですが、ハーブティーを上手に活用して快適に過ごしましょう。ハーブティーは薬ではありませんので、重度の花粉症や副作用が心配な方は医師に相談してください。また妊娠中や授乳中の方は一部のハーブが禁忌となる場合がありますので注意してください。