最近では、花粉症対策のひとつとして、ハーブやアロマなどが効果的と紹介されているものがあります。ハーブの中には花粉症などのアレルギー症状を緩和してくれるものも少なくありませんが、使い方を間違えるとアレルギー症状を悪化させてしまう可能性もあります。そのため、アレルギー体質の方はきちんと理解して使用する必要があります。
この記事ではハーブとアレルギー症状に関する情報をご紹介していきます。
アレルギーの緩和に役立つハーブとは
ハーブにはアレルギー反応を起こしてしまうハーブもありますが、逆にアレルギー体質の方にピッタリなハーブ・アレルギー反応を緩和してくれるハーブもあります。ここでは、アレルギー症状を緩和してくれるハーブをご紹介します。
ペパーミント
スーッとする爽やかな清涼感たっぷりの香りが特徴的な「ペパーミント」。鼻や喉のムズムズ感を取りたい時に役立ちます。
ペパーミントに含まれるメントールが鼻の粘膜に作用してくれて、花粉症の症状を緩和してくれます。また、ヒスタミンを抑えてアレルギーの炎症を緩和してくれます。
エルダーフラワー
マスカットのような甘くさわやかな香りのエルダーフラワーは、ほのかに甘く癖がなくさっぱりとして飲みやすいため、とても人気なハーブの一つです。
エルダーフラワーには、抗炎症の作用があり、風邪やインフルエンザ、花粉症などのアレルギー症状を緩和する効果があるといわれています。
特に風邪のひき始めなどに効果を発揮するといわれ、のどの痛みや悪寒など病気の初期の兆候が出た時に飲まれています。鼻炎や呼吸器、気道の調子を整えることに有効です。
ネトル
ネトルはビタミンやミネラル、食物繊維、鉄分、葉酸、たんぱく質など様々な栄養素を含むことから、「天然のマルチビタミン」とも呼ばれています。
抗アレルギー作用があり、花粉症や喘息、アレルギー性鼻炎などの症状を緩和する効果があります。
アレルギー症状の主な原因は、ヒスタミンという物質が体内で大量に分泌されることで、くしゃみや鼻詰まりなどの症状を引き起こします。ネトルにはフラボノイドの一種ケルセチンが含まれており、これがヒスタミンの分泌を抑制し、アレルギー症状を軽減する効果があります。目のかゆみや鼻炎・鼻詰まりなどに有効です。
ルイボス
紅茶のような深い赤褐色の水色でほんのり甘い香りと爽やかな飲みやすいハーブの「ルイボス」。
日本では認知度が高い「ルイボスティー」ですが、実はルイボスは世界中で南アフリカのみで育つ貴重な植物です。現地の言葉で「ルイボス」=「赤いヤブ」を意味し、発酵したルイボスティーの水色も深い赤褐色です。人工的にカフェインを取り除いたデカフェではなく、純粋なカフェインフリーのため、小さい子どもや妊婦でも飲むことができるハーブです。
ルイボスにはアレルギー性の皮膚炎を抑制する効果があると言われています。アトピー性皮膚炎やかゆみを伴う皮膚炎、ニキビなど様々な皮膚疾患の患者をルイボスティーを入れたお風呂に入浴させたところ、大半の症状が改善されたという研究結果の報告もあります。
ルイボスがどのように作用してアレルギー症状が緩和したかは解明されていませんが、ルイボスティーに効果があることは期待されています。
ユーカリ
コアラの主食として知られる「ユーカリ」。オーストラリアでは昔からハーブティーとして親しまれています。葉っぱや草のような青い香りでスーッとした爽快感のあるすっきりした味わいです。はちみつを入れてまろやかにすると飲みやすくなります。
ユーカリの葉を水蒸気蒸溜して得られる精油成分は、アロマテラピーやのど飴、うがい薬などに利用されています。
粘膜の炎症を抑制する働きと過剰な粘液を排出する働きがあるので、喉の痛みや鼻詰まり、花粉症などに効果があります。免疫を整える作用や抗ウイルス作用にも有効で、インフルエンザ、ウイルス対策にも役立ちます。
アレルギー体質が気を付けるべきハーブとは
そもそも、アレルギー症状は体内の免疫細胞が過剰に反応した結果起きることです。喘息や発疹など深刻になるケースに発展することも少なくありません。アレルギー体質の人は注意しなければいけないハーブがいくつかあります。
ここでは、どのようなハーブがアレルギー反応を起こす可能性があるのか、ご紹介していきます。
キク科のハーブ
アレルギー症状を起こすハーブとして代表的なものがキク科のハーブです。夏から秋に花粉症の症状が出る方は、キク科のアレルギーの可能性があるため、耳鼻科や皮膚科で検査をすることをおすすめします。
キク科のハーブは、カモミール」「エキナセア」「カレンデュラ」「タラゴン」「ステビア」「タンジー」などがあります。
特にカモミールは不安・不眠解消の効果、胃腸の不調を整える効果があり、ハーブティーなどで使用する機会が多いハーブです。ブレンドハーブティーにも使用されていることが多いので、注意が必要です。
※キク科アレルギー以外に、ブタクサ、菊、マリーゴールドの花粉症がある方は、同じ時期のキク科のハーブを摂取することで、相乗効果で花粉症が悪化する場合があります。体調に異変があった際は、すぐに摂取をやめて、病院で検査をしましょう。
タデ科のハーブ
タデ科のアレルギー症状は、そばアレルギーをお持ちの方が多い傾向にあります。そばアレルギーは、最悪の場合は死に至る可能性がある程の危険なアレルギーです。
タデ科のハーブとして代表的なものは、「ソレル」「ルバーブ」「ギシギシ(セイバ)」「ポリゴヌム」などがあります。
セリ科のハーブ
セリ科は、セロリやパセリなどのアレルギーをお持ちの方に多い傾向があります。アジア料理などにも用いられていることが多いですが、最近では日本でも料理によく用いられやすくいため、注意しましょう。
セリ科の代表的なハーブは、「パセリ」「ディル」「フェンネル」「コリアンダー」「チャービル」「アニス」「アンジェリカ(アンゼリカ)」「イタリアンパセリ」「イノンド(ディル)」「ロベッジ(ラビジ)」などがあります。
まとめ
今回ご紹介したハーブ以外にもたくさんの種類があるので、アレルギーを持っている方、反応しやすい方は、事前に病院でアレルギー検査することをおすすめします。アレルギーは好き嫌いではなく、命の危険が生まれることもありますので、決して無理せずにご自身の身体に合わないものは、使用を中止してください。
古い時代には、ハーブは薬として利用されていた時代もありました。ハーブは現代使われる医薬品とは異なり、即効性などはありませんが、継続的に利用することで効果を感じることができます。ご自身の心身の悩みに合わせて、日常生活に取り入れてみてください。